優里のロングトーン挑戦動画やワンオクTakaの声を解説!

以前、ボイトレマンYoutubeチャンネルの動画で優里さんのレオの歌唱分析をしたのですが、優里さん自身のチャンネルで、ロングトーンに関する非常に面白い挑戦をしていたので、今度はその動画の内容を交えながら声を長く伸ばせるようになるにはどうすればよいのかについて伝えていきたいと思います。

さらに今回は、ポルノグラフィティの岡野昭仁さん・B‘zの稲葉さん・ONE OK ROCKのTakaさん・ロングトーンの歌姫 本田美奈子さんからも学ぶべき点があるのでそれらについても語っていきます。それでは早速いってみよう!

動画で学びたい方はこちら↓

1. 優里さんのロングトーン挑戦動画を解説

ロングトーンを出せるようになりたい場合に、まずは腹式呼吸のトレーニングや肺活量を上げるための運動、あとは声を出す時の姿勢を整えようとする人は多いと思います。また、そのように指導するボイストレーナーも実際、多くいます。
しかし、それは本当に正しいのでしょうか? 

以前にも私は、腹式呼吸は間違った常識であり歌にはほぼ役に立たないというブログを出していますが、今回の動画を最後まで見るとそれがより理解できると思います。ロングトーンだけではなく、歌が上手くなるうえで何が重要なのかがわかるはずです。

優里さんはご自身のYou Tubeチャンネルで、「アーティストならロングトーン1分間出せる説!?」という動画を出していて、その動画から沢山の学ぶべき点があったので、まずはそこから解説していきましょう。

優里さんの「飛行船」という曲の冒頭にロングトーンをする部分があるのですが、そこの部分を最大でどこまで伸ばし続けられるか?という挑戦をこの動画では行っています。
まず優里さんが挑戦する前に他の出演者3人が挑戦。肺活量だけは自信があるというげんたさんの結果が15秒、その後のジュンさんが12秒、Nariさんが14秒、そして優里さんが挑戦するとさすがの24秒。
その後30秒はクリアしたい!という事でそれまでは座って声を出していたのですが、次は立って挑戦。その結果が同じく24秒。 

この結果を見て皆さんどう思ったでしょうか?

この結果からわかるのはまず、座ろうが立とうが根本的には姿勢自体はロングトーンに関係がないという事です。なんとなく座っているよりも立っている方が、気持ちとしては自由に声が出せる感じがしますが結果はどちらも24秒でした。

もちろん顔を上に向けた状態など、直接的に喉頭の動きに影響を及ぼすような姿勢だと発声に支障が出ますが、そうでなければ重心が前とか後ろとか、足の開き方は肩幅がいいとか、そんなものは関係ないのです。
そもそもその姿勢でしか安定した発声が出来ないのであれば、ライブで色々動き回りながら歌えるボーカリストが多くいることの説明がつきません。

そして、優里さんがここで非常に重要なコメントを残しています。

「でもきっとさ肺活量じゃないと思うなやっぱり」「多分肺活量はそんな変わらないもん人間」「ペースとかあと出し方じゃないやっぱり」と。

実は私のところにレッスンに来る生徒さんの中でも、歌に真剣に向き合ってきた人ほどレッスン時に、腹式呼吸とか肺活量って本当に歌に必要なんですかね?と聞いてきます。
優里さんもストイックに自分の歌と向かい合っている印象を受けるのですが、その中でやはりロングトーンは肺活量ではないなと実感したのでしょう。

そして更にその証拠を示してくれている、非常に貴重な動画を発見しました。それはポルノグラフィティのボーカル・岡野昭仁さんの肺活量計測動画です。

2. ポルノグラフィティ岡野昭仁さんとB‘z稲葉さんの肺活量について解説

ポルノグラフィティの岡野さんといえば、ライブでも非常に安定した歌声と音程で歌えるボーカリストであり、人気曲のメリッサのライブ音源では綺麗なロングトーンをしています。

この動画では日本音響研究所(=音声や音響の鑑定を行う民間の研究所)がポルノグラフィティ岡野昭仁さんの声の分析を色々行い、何故ライブでもCDの様に安定して歌えるのか?という疑問を解決するために肺活量を計測する場面がありました。 

ちなみに計測前にその研究所の方が、
「高い声を出すためには肺活量が必要になってくるんですね 空気を多く送れば振動も早くなったりもするので」
と言っているのですが、これは完全に間違った情報です。
声の高さを決めるのは声帯の状態であり息の強さではありません。もし息の強さで高さが決まるのであれば、少ない息だと高い声が出ずに張り上げるようにしないと高い声が出ないという事になってしまいます。
もちろん音響研究所の方は音のデータを分析するプロであり、ボイトレのプロではないので仕方のないことと思います。
研究所の方が言うと説得力があるように感じてしまいますが、すべてを鵜吞みにしないよう、気を付けてください。

さて、見てほしいのがその計測結果です。岡野さんの年齢だと約3500CCが平均のところ、なんとそれを下回る2790CCという計測結果が出たのです。なんとも微妙な空気が流れる中、研究所の方は「今かなりびっくりしてます。水泳選手みたいに5000CCくらいあるのかと思ってたんですけれども」と発言しました。
要するにこの計測で、安定した発声に肺活量は必要ないという事が証明されたのです!

肺活量に関しては、B’zの稲葉さんが8000CCというとんでもない肺活量を持っているという情報がネット上で広まっていますが、これはネットの世界ではよくあるデマ情報なので気を付けてください。
これは、パワーブリーズという道具を使って稲葉さんが呼吸筋を鍛えているシーンが2008年にテレビで放送された影響があると推測しているのですが、実は肺活量8000ccエピソードについては2016年に本人が明確に否定しています。
ソロツアーで披露した「遠くまで」という曲でのロングトーンについてインタビュアーに絶賛された際、このように答えているのです。
「肺活量(笑) だから僕、8000もないからっ!本当に!(笑) よく8000って言われるんだけど この年齢(当時51歳)の男性の平均より少し上くらいだから そんなに変わらない」と。

あの超絶歌唱を行なう稲葉さんですら平均男性と肺活量はそんなに変わらないという事なんです。
では肺活量は安定した発声やロングトーンに関係ないとすれば、いったい何が関係しているのか?いよいよ核心に迫っていきましょう。

3. ロングトーンを出来るようになるためには?

ポルノグラフィティ岡野さんは先ほどの肺活量を計測した後、次は高い声でロングトーンを出し、声帯の強さを測る実験というのを行っています。

ちなみにこの時に研究所の方は、
「ロングトーンでハイトーンを出した時に声帯をグッと伸ばす必要があるんですけど、その時にぐりっと喉仏が下がるので、そうなっているかをチェックする」
という発言をしています。
この発言、ロングトーンでハイトーンを出した時に声帯をグッと伸ばす必要があるという部分は正しいのですが、その時にぐりっと喉仏が下がるという部分は間違っています。何故ならば喉仏の位置は出したい声質によって変化させることが出来るからです。
日本音響研究所の方も是非この動画で正しいボイトレの知識を身につけてください…!

そして案の定、実験結果では
「そんなに喉仏が下の方に出るって感じじゃないですが、奥の方に引っ張る感じですね。なのでさすがに声帯の方の筋肉はしっかりしている」
という研究所の方の返答で、何とも曖昧な答え方で終わっています。
ですが重要なのはその次の会話です。

「この声があの肺活量で出せるというのは、喉の筋肉がしっかりされているからですね。この発声をしていると、2時間とかのライブをした最後の方の曲でもそんなに疲れないと思います」
とコメントした研究所の方に対して岡野さんは
「そうなりましたね。昔はもっと最後の方はへたっていたけど最近はもっと効率が良くなったのかなと思います」と返答しました。 ちなみに岡野さんはライブでちゃんと最後まで歌えるように、2015年にボイトレに通ったことをこの動画内で話しています。

以上から結論がでます。
安定した発声でロングトーンを行なうのに必要なもの、それは、姿勢でも腹式呼吸などの呼吸法でも肺活量でもない、
バランスよく鍛えられた喉の筋肉なのです!!!!

実は岡野さんが実感している通り、喉の筋肉がバランスよく鍛えられていくと、発声する時に必要な息の量が少なくて済むようになり、効率のよい発声が出来るようになっていきます。

喉仏の中にある声帯が、息が通過する時に振動して音が生まれ、それが声となっています。簡略化して説明するとすれば、この声帯を閉じる働きを地声の筋肉が、声帯を引っ張る働きを裏声の筋肉が行っていて、この筋肉をバランス良く鍛えていくことが重要なのです。

本格的に喉を自由にしていきたい人は、これまでのボイトレマンブログをぜひ順番に読んでいってみてください。

今回は、声帯を閉じる筋肉も引っ張る筋肉も両方をバランスよく鍛えてくれるトレーニング法を教えます。

4. 安定した発声を手に入れるためのトレーニング法

では、声帯を閉じる筋肉も引っ張る筋肉も両方バランスよく鍛えてくれるトレーニング法を伝えましょう。それは「鋭い裏声」を出す事です。
鋭い裏声」のお手本は、YouTube動画で見せているので参考にしてみてください。

鋭い裏声」というのは裏声ではあるのですが、声帯を閉じることによって息漏れがなくなり、鋭さが加わります。
ちなみにこの声は、よくヘビメタバンドなどがする、シャウトでも使われています。

また、勘のいい人は気付いたかもしれませんが、実はこの声、B’zの稲葉さんが特にライブの時に多用している声なのです。
正確に言うと、稲葉さんのシャウトにはこの声に更にノイズが加わっているのですが、大元の声はこの鋭い裏声です。
なので私は稲葉さんがあのような超絶歌唱が出来るのはパワーブリーズで呼吸筋を鍛えているからではなく、鋭い裏声によって喉の筋肉がバランスよく鍛えられているからだと分析しています。

もちろん勘違いしてほしくないのは、この声で歌ってくださいという事ではないということです。この声を出す事により喉の筋肉が鍛えられ発声の基礎が作られていくと考えてもらえればよいでしょう。

この「鋭い裏声」のヘビメタシャウト風のロングトーンを実際に30秒、動画では私がやって見せているのでこちらも見てみてください。
私は特に有酸素運動を頻繁にやっているわけでも、立っているわけでも、腹式呼吸も意識しているわけでもありませんがこのように発声することが出来ています。

それでは次は実際にプロのボーカリストのロングトーンを聞いてみましょう。

5. ロングトーンの神「ONE OK ROCK Takaさん」「本田美奈子さん」  

まずはONE OK ROCK Takaさんのロングトーンです。

発声が非常に安定していて素晴らしいロングトーンですよね。この発声から声帯がピンと張って息漏れがない感じが聞き取れるでしょうか?この声帯の状態を作ってくためには、先ほどやった鋭い裏声のトレーニングが重要なのです。 

それでは次は、惜しくも2005年に亡くなってしまった本田美奈子さんの歌を聞いてください。

初めて聞いた人、びっくりしませんでした?このロングトーンは凄いですよね。

ここで注目してほしいのが、腹式呼吸ではなく明らかに肩が上がって一般的にはダメと言われている胸式呼吸で発声しているのがわかるというところです。さらに注目してほしいのはこのロングトーンで歌い終わった後も、このようにすぐに大きいブレスをすることなくまだ余裕のある感じがあります。
女性は男性に比べてそもそもの平均の肺活量が1000CCほど低いと言われています。それなのにこの余裕のある素晴らしいロングトーンが出せているのです。
この部分の発声を聞くと、やはり声帯が引き伸ばされかつ閉じられており、本人の体感上はおそらく息を吐いているというよりは、ほぼ息を止めているという感覚に近い事でしょう。まさに少しの息が効率よく声に変わっているのです。 

古い常識に縛られているのが間違いだと伝わっていればうれしいです。

Japan Vocal Schoolでは池袋にて一般の方のレッスン受付も開始しています。本物のボイトレを知りたい方は是非一度、「ご予約・お問い合わせ」よりご予約の上、お越しください。


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